アコースティックバイオリンの音をピックアップ直でミキサーに送ると音が硬すぎる

最近、ライブ配信をやるようになって、バイオリンの演奏をピックアップで拾って、間に何も挟まずにミキサー経由でパソコンに送っていたのですが、あまりにもアコースティックな音とかけ離れた、非常に硬い音がしてしまって、あまり使い物にならない音しか得られませんでした。そこで、ピックアップとミキサーの間にプリアンプを設置して、音質の改善を図ることにしました。

ちなみに使ってるピックアップはこちらです。

イギリスのHEADWAYというメーカーの「The Band Violin」です。これはピエゾピックアップの一種で、バイオリンのボディに巻き付けるような形で使用します。通常、ピックアップは駒に仕込むことが多いのですが、この製品は胴に巻き付けることで、ボディの木材の鳴りを電気信号として拾い、シールドケーブルに出力する仕組みになっています。また、何よりも、バイオリン本体を一切いじらないので、非常に使いやすい製品です。

装着した様子はこちらです。

で、見出しにある通り、最初はこのシールド出力を直接ミキサーに送っていたのですが、音があまりにも硬いので改善が必要になったわけです。

FISHMAN Platinum Pro EQ/DI Analog Preampの選定まで

さて、まず最初に試みたのは、たまたま所有していたマイクプリアンプのDI機能を使ってみることにしました。ですが、あくまでマイクプリアンプなのでピエゾピックアップの増幅にはあまり効果がないことが判明しただけでした。

仕方がないので、バイオリン用のプリアンプを探しましたが、この世にはほぼ存在しないと言っても過言ではない様子。もう少し調べていくうちに、エレキバイオリン奏者はアコースティックギター用のプリアンプやエフェクターを使っていることがわかりました。なるほど、アコースティックギター用がそのまま使えるなら、わざわざ需要の少ないバイオリン用のプリアンプやエフェクターを作る必要はないのですね。

そこでアコースティックギター用のプリアンプをサーチしてみたところ、いくつか候補が出てきました。まずはこちら「L.R.BAGGS Para Acoustic D.I.」

この製品はアコースティックギター奏者の間では超の付くぐらいの定番だそうです。お値段も極端に高くはなく、20,000円くらいです。ファンタム電源でも稼働するというので、その点は評価できました。しかし、操作系統がかなり単純で、あまり音に味付けはできなさそうなので、却下となりました。

次に考えたのは、ピックアップの世界では超有名なFISHMANの製品。「Platinum Stage EQ/DI Analog Preamp」です。

こちらの製品は、お値段もそう高くない18,000円ほどでした。これも操作系統が比較的単純でコンパクトな点も非常に好印象です。しかもファンタム電源で駆動するというおまけつき。とはいえ、機能的に少し物足りなさも感じました。

で、もう少し調査を進めると、この製品の上位機種に「Platinum Pro EQ/DI Analog Preamp」というのがありました。

これはかなり機能を積み込んであり、コンプレッサーやHigh Middle Bassの3つのEQ、そしてLow cut と「ブリリアンス」の調整が可能です。残念ながらファントム電源では駆動しないのですが、かなり音色を作ることができそう。しかしお値段が高く、35,000円ほどするので、ちょっと躊躇せざるを得ませんでしたが、背に腹は抱えられないということで、かなり高い金額ですが購入しました。

FISHMAN Platinum Pro EQ/DI Analog Preampでバイオリン向けの音作りに挑戦。

で、さっそく届いた日のうちに動作確認して、次の日からバイオリン向けの音作りを始めました。先に結論を述べておきますと、下の写真のとおりの設定がベストだという結論に達しました。

つまみを上段から順に説明していきますと、左上のvolumeはXLRケーブル出力の際は出力レベルが変更できないため、操作していません、右上のcompressorは3時くらいにして、少し深めにかけます。

中段のつまみはlow cutは全開。というのはバイオリンの場合、196Hzより低い音は出ないので、ノイズ対策もあってばっさり切ってしまいます。bassのつまみは11時、middleは1時、trebleは11時とやや中音域を持ち上げます。brillianceは3時にセッティング。ブリリアンスについては、最初、落とした方がいいかなと思ったのですが、音の抜けが悪くなったので、(私の嫌いな方向性ですが)ブリリアンスを上げたところ、改善したのでその設定で行きました。

最後に下段です。frequencyは中段のmidlleの周波数帯のうち、どこを中心にするかを設定するものです。こちらは3時にしてみました。notchはいわゆるハウる音(フィードバックされた音)を除去するためのものですが、これは同じ種類の楽器でも、楽器によって特性が異なるので一概には言えません。ちなみに、notchは音作りにも活用できるらしく、上級者の中にはそれを推奨している方もいらっしゃいましたが、私は素人なので本来の機能の使用にとどめました。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、このプリアンプ、外付けでエフェクターを接続することも可能です。接続順はもちろんプリアンプ→外部エフェクター→XLRケーブル or アンプ出力 です。たまたま所有していたリバーブのエフェクターを接続しておきました。リバーブをかけることで、音に広がりを持たせることができます。バイオリンの演奏は、特にクラシック分野ではコンサートホールや教会と言った、残響の残る環境で弾くことが一種の前提条件になり、私たちに耳なじみのある音を出すにはリバーブの使用は避けられません。もちろん、リバーブのエフェクターを持っていない場合でも、この「FISHMAN Platinum Pro EQ/DI Analog Preamp」はいい仕事をしてくれますが。

録音してみた

上記の設定でアストラ・ピアソラのアヴェ・マリアを録音してみました。ご参考いただければ幸いです。

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